AGA(男性型脱毛症)は進行性の脱毛症で、症状の進行を止めるためにはAGA治療を受ける必要があります。 AGA治療は主に内服薬や外用薬による治療が一般的で、AGA治療薬にはさまざまな種類があります。 AGA治療をより効果的なものにするためには、AGA治療薬ごとの特徴を理解し、自分に合ったものを選ぶことが大切です。 この記事では、AGA治療薬の種類について解説します。 AGA治療薬の選び方や使用するときの注意点などもまとめているため、これからAGA治療を受ける方はぜひ参考にしてみてください。 【抜け毛予防タイプ】AGA治療薬の種類と効果・副作用AGA治療薬は、抜け毛を予防するための薬と発毛を促進させるための薬の大きく2つに分けられます。 抜け毛予防タイプのAGA治療薬には以下のような種類があります。
ここでは上記3種類のAGA治療薬について、それぞれの効果や副作用について解説しましょう。 フィナステリド(プロペシア)フィナステリドはオルガノン株式会社(旧MSD製薬)によって日本国内初のAGA治療薬として製造販売された薬で、『プロペシア』という製品名で知られます。 プロペシア0.2mgとプロペシア1mgの2種類があり、現在はジェネリック医薬品も販売されています。 効果フィナステリドはII型5αリダクターゼの働きを阻害し、テストステロンがDHT(ジヒドロテストステロン)への変化するのを防ぐ効果を持ちます。 II型5αリダクターゼは前頭部や頭頂部に存在する酵素で、テストステロンをDHTへと変化させることでAGAを引き起こします。 フィナステリドの効果によってDHTが増えてしまうのを防げるため、AGAの進行を抑えることが可能です。 副作用フィナステリドの主な副作用は以下の通りです。
頻度不明の副作用として、蕁麻疹や発疹、血管浮腫、睾丸痛、男性不妊症・精液の質低下などがあります。 デュタステリド(ザガーロ)デュタステリドはグラクソ・スミスクライン株式会社によって製造販売されたAGA治療薬で、『ザガーロ』の製品名で知られます。 元々は前立腺肥大症治療薬として2009年に厚生労働省に認可された薬ですが、副作用としてAGAの改善効果がみられたことをきっかけに治験が実施され、発毛効果が証明されました。 2015年に厚生労働省に認可され、男性型脱毛症診療ガイドラインでも使用が強く推奨されるAGA治療薬となっています。 効果デュタステリドはフィナステリドと同様にAGAの進行を抑える効果があります。 フィナステリドと異なる点は、デュタステリドは5α還元型のII型だけでなく、I型にも作用する点です。 I型とII型の両方に作用するため、より強力にDHTの生成を抑制する効果が期待できます。 副作用デュタステリドの主な副作用は以下の通りです。
上記のほか、蕁麻疹やアレルギー反応、浮動性めまい、味覚異常などの症状が現れる場合があります。 フィナステリドと比べると若干副作用のリスクが高まるため、その点も理解したうえで検討する必要があるでしょう。 アボルブアボルブはグラクソ・スミスクライン株式会社が製造販売しているAGA治療薬で、デュタステリドを主成分としています。 効果アボルブはデュタステリドを主成分としているため、基本的にはデュタステリドが持つ効果と同じです。 I型・II型5αリダクターゼの働きを阻害し、テストステロンがDHTへと変化するのを防ぐ効果を持ちます。 副作用アボルブの主な副作用は以下の通りです。
稀ではありますが、肝機能障害や黄疸といった重大な副作用が起こる場合もあります。 【発毛促進タイプ】AGA治療薬の種類と効果・副作用発毛促進タイプのAGA治療薬には以下のような種類があります。
ここでは上記4種類のAGA治療薬の効果と副作用について解説しましょう。 ミノキシジルタブレットミノキシジルタブレットはミノキシジルを主成分とするAGA治療薬です。 ミノキシジルには内服薬と外用薬の2種類あり、ミノキシジルタブレットは内服薬となっています。 ミノキシジルタブレットは日本だけでなく、世界中でいまだ未承認です。 効果ミノキシジルタブレットには血管を拡張させて血行を促進させる作用があります。 この作用によって血流が改善されると毛乳頭細胞まで栄養が行き届くようになり、発毛が促進されます。 外用薬のミノキシジルよりも高い発毛効果が期待できる点が大きな特徴です。 副作用ミノキシジルタブレットの主な副作用は以下の通りです。
ミノキシジルの血管拡張作用によって血圧が低下することがあり、それに伴って動悸やめまいなどの症状が現れる場合があります。 ミノキシジル外用薬タイプのミノキシジルは、頭皮に直接塗って使用します。 ミノキシジルを主成分としており、クリニックで処方されるものと市販薬があります。 いずれもAGAに対する作用が認められているのが特徴です。 効果ミノキシジルは血管拡張作用によって血行を促し、発毛を促進する効果があります。 さらに毛母細胞を活性化させる作用もあり、これによって太く長い髪が作られるようになります。 内服薬タイプのミノキシジルタブレットと比べると作用が小さくなりますが、発毛効果自体は臨床試験により認められているため、AGA治療薬として使用する分には問題ありません。 副作用ミノキシジルの主な副作用は以下の通りです。
ミノキシジルには血管拡張作用があるため、高血圧症や狭心症など循環器系の疾患を抱えている人は使用に際し注意が必要となります。 アロビックスアロビックスはフジロン液のジェネリック医薬品で、カルプロニウム塩化物を5%含んでいます。 頭皮に直接塗る外用薬タイプのAGA治療薬で、男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでは『行ってもよい(推奨度C1)』に位置付けられています。 フジロン液と同様の効果を持ちますが、ジェネリック医薬品のため安価で手に入るのが特徴です。 効果アロビックスは血流の促進によって発毛を促す効果があります。 効果が血管の拡張作用のみとなるため、毛乳頭細胞にもアプローチするミノキシジルと比べると、効果の強さはやや低くなります。 副作用アロビックスの主な副作用は以下の通りです。
上記はいずれもそれほど発症率は高くありませんが、万が一副作用が現れた場合にはすぐに塗布部分を洗い流し、医師に相談しましょう。 ロゲインロゲインはミノキシジルを主成分とするAGA治療薬です。 臨床試験でAGAやFAGA(女性型脱毛症)に対する効果が認められており、初期脱毛症状に効果的とされています。 男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインにおいて、『行うよう強く勧める(推奨度A)』の評価を得ている点が特徴です。 効果ロゲインは局所的な血管拡張作用を持ち、血流の促進によって発毛を促す効果が期待できます。 ただし髪を失ってからしばらく期間が空いてしまっている場合、効果がみられないことがあるため注意が必要です。 薄毛が気になり始めた初期段階での使用が推奨されるAGA治療薬となります。 副作用ロゲインの主な副作用は以下の通りです。
ロゲインは命にかかわるような重篤な副作用がほとんどない特徴があります。 AGA治療薬の選び方AGA治療薬を選ぶときは以下のポイントを押さえましょう。
ここでは上記3つのポイントについてそれぞれ解説します。 改善したい悩みに合った薬を選ぶAGA治療薬は改善したい悩みに合った薬を選ぶことが大切です。 ここでは悩みごとに適した薬を解説しましょう。 現状維持したい現状維持したい場合に適したAGA治療薬は、フィナステリドやデュタステリドです。 これらの治療薬は5αリダクターゼに直接作用し、テストステロンがDHTに変化するのを防ぎます。 薄毛の原因となるDHTの数が増えるのを防ぐため、現在の頭皮や毛の状態を維持することが可能です。 髪の毛を増やしたい髪の毛を増やしたい場合に適したAGA治療薬は、ミノキシジルです。 ミノキシジルには血管拡張作用によって血流を促し、毛包の働きを活性化させる効果があります。 内服薬と外用薬どちらも同様の効果を持ちますが、より高い効果を期待するなら内服薬を選ぶのがおすすめです。 抜け毛を予防しながら髪の毛を増やしたい抜け毛を予防しながら髪の毛を増やしたい場合は、フィナステリドやデュタステリドとミノキシジルを併用するとよいでしょう。 これらのAGA治療薬の効果により、これ以上薄毛が進行してしまうのを防ぎながら、発毛を促進することができます。 併用治療は男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインにおいても推奨されている治療方法のため、予算に余裕がある方は検討してみてください。 高い発毛効果を得たい高い発毛効果を得たい場合は、フィナステリドやデュタステリドとミノキシジルタブレットを併用するとよいでしょう。 ミノキシジルタブレットは外用薬タイプのミノキシジルよりも効果が強いため、よりしっかりとした発毛効果を得ることができます。 ただし重篤な副作用を引き起こすリスクがあるため、必ず医師の指示通りに服用しましょう。 自分の体質に合った薬を選ぶAGA治療では、自分の体質に合った薬を選ぶことが大切です。 薬は体質によって合う・合わないがあるため、薬の服用で副作用が生じた経験がある場合は特に注意が必要です。 また薬によって副作用の発症リスクが異なるため、心配な場合はなるべく安全性の高い薬を選ぶとよいでしょう。 継続しやすい値段の薬を選ぶAGA治療には完治という概念がないため、「薄毛状態に戻っても良い」と感じるまで長期間継続することになります。 毎月AGA治療費がかかることになるため、継続しやすい値段の薬を選ぶことが大切です。 またAGA治療は自由診療で、クリニックによって薬の値段が異なるため、クリニックを選ぶ際は薬の値段を比較してみましょう。 AGA治療薬を使用するときの注意点AGA治療薬を使用するときの注意点は以下の通りです。
ここでは上記6つの注意点についてそれぞれ解説します。 個人輸入は危険AGA治療薬を個人輸入で入手しようとする方がいますが、危険なためおすすめできません。 個人輸入が危険な理由は以下の通りです。
本来の効果が得られないだけでなく、未承認の成分の混入によって健康被害を引き起こすリスクもあります。 AGA治療薬は必ずクリニックで正規品を処方してもらうようにしましょう。 薬の種類ごとの用法・用量を守るAGA治療薬を使用する際は、必ず薬の種類ごとの用法・用量を守りましょう。 適切な用法・用量を守らずに使用すると、効果が得られない可能性があるだけでなく、副作用が生じるリスクが高まります。 用量を増やせばその分効果が高まるというわけではないため、必ず用量を守って使用するようにしてください。 ジェネリック品はアレルギーに注意が必要AGA治療薬には安価で入手できるジェネリック医薬品がありますが、アレルギーに注意が必要です。 例えば先発品でアレルギー反応が出なくても、ジェネリック品でアレルギー反応を引き起こすケースもあります。 これは先発品とジェネリック品で配合されている添加物に違いがあるためです。 過去に薬の服用によってアレルギー反応を起こした経験がある場合は、必ず事前に医師に相談しましょう。 最低でも6か月以上は継続して服用するAGA治療薬は最低でも6か月以上は継続して服用する必要があります。 服用してから3〜6か月程度頃を目安に効果を実感し始める人が多いですが、1年以上服用し続けてようやく効果が現れる場合もあります。 このようにAGA治療薬は基本的に長期間の服用が必要で、効果の現れ方にも個人差がある点に注意しなければいけません。 効果を急ぐのではなく、長期的な視点を持って焦らず治療を継続しましょう。 薬の併用は必ず医師に相談するAGA治療で薬を併用する場合は、必ず事前に医師に相談しましょう。 AGA治療薬の中には併用禁忌薬や併用注意薬があり、それらを併用してしまうと体調不良を引き起こしたり効果を弱めたりする恐れがあります。 例えばデュタステリド(ザガーロ)の場合は、CYP3A4阻害作用のある薬は併用注意薬に指定されています。 この薬を併用すると血中濃度が上昇する恐れがあるため注意が必要です。 AGA治療薬以外で普段から飲んでいる薬がある場合は、カウンセリングの際に医師に相談しておきましょう。 副作用が出たらすぐにクリニックに連絡するAGA治療薬の使用により副作用が生じた場合は、すぐにクリニックに連絡しましょう。 クリニックで適切な処置を受けることで、副作用の症状を和らげることができます。 症状の強さによっては、薬の用量を減らすことを検討する場合もあるでしょう。 また副作用が生じたからといって自己判断で薬を減らすのではなく、必ず医師に相談するようにしてください。 まとめAGAの薬にはさまざまな種類があり、それぞれ使用に適した症状が異なります。 AGA治療薬の効果や副作用を正しく理解しておくことで、自分にあった薬を選びやすくなります。 飯室皮膚科では、デュタステリドによるオンラインAGA治療を行っています。 デュタステリドは発毛効果が証明されているAGA治療薬のため、髪の毛を増やしたい方や薄毛に悩んでいる方におすすめです。 初診からオンライン診療が可能なため、遠方に住んでいる方もぜひ当院まで気軽にご相談ください。 |