![]() 目次AGA(男性型脱毛症)の治療でよく処方される内服薬に、フィナステリドとデュタステリドがあります。 どちらも抜け毛の進行を抑える薬として知られていますが、「違いがよく分からない」「どちらを選べばいいのか迷う」という方も少なくありません。 この記事では、フィナステリドとデュタステリドの違いを中心に、効果の特徴、副作用、向いている人、費用や治療期間までをわかりやすく解説します。 フィナステリドとデュタステリドとは?![]() フィナステリドとデュタステリドは、AGA(男性型脱毛症)の進行に関わる男性ホルモンの働きを抑える内服薬です。 どちらも脱毛の原因物質であるDHTの生成を抑制し、乱れたヘアサイクルを整えることで、抜け毛の進行を抑える役割を担います。 どちらもAGAの治療薬両薬剤は、DHTを生み出す酵素5αリダクターゼの働きを抑えることで、毛根への悪影響を軽減します。 5αリダクターゼにはT型とU型の2種類が存在し、フィナステリドは主にU型に作用するのに対し、デュタステリドはT型・U型の両方に作用する点が特徴です。 いずれも発毛を直接促す薬ではなく、薄毛の進行を防ぐ治療薬として位置づけられています。 また、女性の薄毛治療には使用できない薬剤であるため、対象は男性に限られます。 デュタステリドはその有効性と安全性が臨床試験において確認されており、AGA治療薬の中で唯一治験エビデンスがある薬です。 (参照:Ann Dermatol 男性型脱毛症に対する低用量デュタステリド、有効性と安全性を確認(2025)) どちらが発毛効果がある?臨床研究では、一定期間の服用後における毛髪本数の増加は、デュタステリドのほうが大きい傾向が示されています。 これは、デュタステリドがより広範囲の5αリダクターゼを抑制し、DHTの生成を強く抑えるためと考えられています。 特に頭頂部だけでなく、生え際や前頭部の薄毛にも効果が期待できる点が特徴です。 併用はできる?フィナステリドやデュタステリドは、抜け毛を抑える進行予防を目的とした治療薬です。 同じ作用を持つため、フィナステリドとデュタステリドの併用はできません。 ただし、発毛を促す作用を持つミノキシジルと併用されるケースはあります。 守る治療と育てる治療を組み合わせることで、AGA治療の効果を高めることが期待されますが、併用の可否や方法は医師の判断が必要です。 フィナステリドとデュタステリドの違い![]() フィナステリドとデュタステリドはいずれもAGA治療に用いられる薬ですが、作用の強さや体内での動き、副作用の傾向には明確な違いがあります。 患者さんの症状や体質によって適した薬は異なるため、まずは違いを理解しておくことが大切です。 ここでは、フィナステリドとデュタステリドの違いについて5つのポイントで解説します。 効果が作用する範囲フィナステリドは、主に5αリダクターゼのU型に作用する薬です。 U型は前頭部や頭頂部に多く分布しているため、これらの部位の薄毛に対して効果が期待されます。 一方、デュタステリドはT型とU型の両方を抑制するため、頭頂部だけでなく、生え際や側頭部を含めた広い範囲でDHTの影響を軽減できる点が特徴です。 効果の出方フィナステリドは、比較的マイルドにDHTの生成を抑えるため、抜け毛の進行を穏やかに抑制します。 デュタステリドは、より強力にDHTを抑制するため、毛髪密度の改善や進行したAGAに対して高い効果が期待される薬です。 半減期半減期とは、体内の薬の濃度が半分になるまでにかかる時間を指します。 フィナステリドの半減期は数時間程度と比較的短いのに対し、デュタステリドは数週間と非常に長いのが特徴です。 このため、デュタステリドは体内に長くとどまり、安定した作用が続きやすい薬とされています。 副作用のリスクどちらの薬も男性ホルモンに作用するため、性欲低下や勃起機能低下などの副作用が報告されています。 一般的には、作用が強い分、デュタステリドの方が副作用の発現率はやや高い傾向があります。 ただし、いずれも多くの方が問題なく使用しており、副作用の有無や程度には個人差があります。 使えない人フィナステリド・デュタステリドはいずれも女性や未成年には使用できません。 また、肝機能障害がある方や、過去に同系統の薬で強い副作用が出た方は注意が必要です。 特にデュタステリドは体内に長く残るため、服用開始前には医師による十分な説明と判断が重要になります。 フィナステリドとデュタステリドの副作用・リスク![]() AGA治療薬は薄毛の進行を抑える有効な選択肢ですが、男性ホルモンに作用する薬である以上、副作用の可能性も理解しておく必要があります。 特に性機能への影響や、服用中・中止後の体調変化について不安を感じる方は少なくありません。 ここでは、代表的な副作用とリスクについて解説します。 フィナステリドの副作用・リスクフィナステリドはAGA治療に広く用いられている薬剤ですが、まれに以下のような副作用が報告されています。 主な副作用は以下の通りです。
これらの発生頻度は数%程度とされ、多くの場合は軽度で、服用を継続する、または中止することで改善するケースがほとんどです。 また、以下のような精神面への影響が指摘されることもあります。
過去にうつ病の治療歴がある方は、治療開始前に医師へ申告することが重要です。 なお、服用中止後も症状が持続するとされる『ポストフィナステリド症候群(PFS)』については、現時点では医学的な結論が出ておらず、慎重な経過観察が必要とされています。 デュタステリドの副作用・リスクデュタステリドでも、男性ホルモンに作用する薬剤であることから、以下のような副作用が報告されています。 主な副作用は以下の通りです。
また、ホルモンバランスの変化に伴い、次のような症状がみられることがあります。
デュタステリドはDHT抑制作用がより強いため、副作用の頻度はフィナステリドと同等、またはやや高い傾向があるとされています。 ただし、多くの副作用は、医師の管理下で用量調整や経過観察を行うことで対応が可能です。 また、妊活中の場合には、治療開始のタイミングや休薬の必要性について、必ず事前に医師へ相談しましょう。 フィナステリドとデュタステリドのどちらが向いている?![]() フィナステリドとデュタステリドはいずれもAGA治療に用いられる内服薬ですが、作用の強さや適した治療段階に違いがあります。 そのため、薄毛の進行状況や治療に求める優先順位によって、適した薬剤は異なります。 ここでは、それぞれが向いている方の特徴を整理します。 フィナステリドが向いている人フィナステリドは、比較的マイルドにAGAの進行を抑える薬剤として位置づけられており、次のような方に向いています。
一方で、過去にフィナステリドで体調変化があった方や、持病がある場合は、医師による慎重な判断が必要です。 デュタステリドが向いている人デュタステリドは、より広範囲にDHTの生成を抑制するため、高い発毛効果が期待される治療薬で、以下のような方に適しています。
デュタステリドは、進行初期だけでなく、すでに薄毛が目立つ場合でも効果が期待されるとされています。 フィナステリドとデュタステリドの費用目安と治療期間![]() AGA治療は、効果を実感するまでには一定の時間がかかるため、治療期間と費用のバランスを理解したうえで、無理なく続けられるかどうかが重要なポイントとなります。 また、AGA治療は自由診療のため、クリニックごとに料金設定や診療体制が異なります。 治療を始める前に、費用の目安や治療の流れを把握しておきましょう。 費用目安フィナステリド・デュタステリドはいずれも自由診療となり、処方価格はクリニックによって差がありますが、ひと月あたり5,000円〜10,000円前後が一般的な目安とされています。 クリニックによっては、オンライン診療を導入することで通院負担や費用を抑えられる場合もあります。 一方で、年単位での一括契約や解約条件が設定されているケースもあるため、契約内容を十分に確認したうえで治療を開始することが大切です。 治療期間フィナステリドやデュタステリドによるAGA治療は、数か月から年単位での継続が基本となります。 治療開始後、1〜2か月ほどで「初期脱毛」と呼ばれる一時的な抜け毛の増加が見られることがあります。これは、新しい髪の毛が生える準備段階として、弱った毛や寿命の短い毛が抜け落ちる現象です。 多くの方が辿る経過としては以下の流れになります。
その後は、薄毛の進行度やどこまで改善したいかによって、治療期間を調整していくことになります。 フィナステリドとデュタステリドのよくある疑問![]() フィナステリドやデュタステリドを用いたAGA治療では、「併用はできるのか」「誰でも使えるのか」「途中で薬を変えても問題ないのか」といった疑問を持つ方が少なくありません。 ここでは、治療を始める前に知っておきたい代表的な疑問と注意点を整理します。 他のAGA治療薬とは同時に使える?フィナステリドとデュタステリドは、同じ作用機序を持つ内服薬のため併用はできません。 どちらも5αリダクターゼを抑制する薬であり、同時に服用すると効果が高まるわけではなく、副作用のリスクが増すおそれがあります。 一方で、ミノキシジル外用薬など、作用の異なる治療薬との併用は一般的に行われています。 併用の可否は、医師の判断のもとで決めるようにしましょう。 フィナステリドとデュタステリドの注意点は?フィナステリド・デュタステリドには、服用にあたって以下のような注意点があります。 献血可能になるまでの期間は、フィナステリドで約1ヶ月、デュタステリドでは約6ヶ月とされています。 AGA以外の脱毛には効きますか?フィナステリドとデュタステリドは、男性ホルモンが関与するAGAに特化した治療薬です。 そのため、円形脱毛症や牽引性脱毛症、生活習慣や栄養不足が原因の抜け毛などには効果が期待できません。 薄毛や抜け毛の原因は一つとは限らず、自己判断でAGAと決めつけてしまうと、適切な治療の機会を逃すこともあります。 症状が気になる場合は、専門の医療機関で原因を確認したうえで治療方針を決めることが大切です。 フィナステリドからデュタステリドに切り替えるとどうなる?フィナステリドを一定期間服用しても十分な効果を感じられない場合、より作用範囲の広いデュタステリドへの切り替えが検討されることがあります。 また、両方を同時に服用することは推奨されません。 切り替えは自己判断で行わず、医師の指示のもとで計画的に進めることが重要です。 まとめフィナステリドとデュタステリドはいずれもAGA治療薬ですが、デュタステリドは複数の5αリダクターゼを抑制する点が特徴で、フィナステリドよりも高い効果が期待できます。 その反面、効果や副作用の感じ方には個人差があるため、適切な診察と経過観察が欠かせません。 AGA治療は早期に開始し、医師の管理下で継続することが重要です。 デュタステリドによる治療を検討している方は、自己判断に頼らず、まずは医療機関で相談することをおすすめします。 『飯室皮膚科』では、AGA治療をオンラインで行っています。(国産デュタステリド30錠¥4300/月、診察料込み) 薬は、臨床試験で効果が高いことが示されており安全性・有用性にもエビデンスのあるデュタステリドを処方・全国に発送しています。 デュタステリドについてのご質問があればお気軽にご相談ください。 何故、オンラインAGA治療はデュタステリドのみですか? 〜ご返信〜 AGA治療の歴史からご説明させて頂きます 2016年にAGA治療としてデュタステリドがグラクソスミス社から認可され、2016年11月から当院外来にてもAGA治療を開始し17歳〜80歳台患者様の多くの経験がございます。それ以前のAGA治療は当院の認識としましては効果に疑問がありました。 デュタステリドは2001年に米国で前立腺肥大症のお薬として認可され、日本では前立腺肥大症治療薬として2009年に認可されました。前立腺肥大症の治療でデュタステリドを内服されてる方々から副作用として男性型脱毛症が改善(発毛)されてきたとの報告が相次ぎました。 このような報告にはプラセボ(思い込み)、偶然、等多くの要因がありますが、グラクソスミス社は真摯に受け止め治験を実施し発毛効果を証明しました。 以後多くのAGA治療薬、施術等が増えておりますが、精査し、現時点(2024年)当院としましては、費用対効果、副作用、多くの外来経験も踏まえ、個人差はありますがデュタステリドのみで治療可能との認識です。 副作用等ご不明点は診察時に医師にご確認下さい。ほとんどの方は診察にて副作用の判断が可能ですが重大な副作用が疑われた場合には血液検査(郵送検査システム)を受けて頂きます。 この記事の監修者![]() 飯室皮膚科 院長 飯室 諭
|