イソトレチノインはニキビ治療に用いられる内服薬です。 皮脂分泌の抑制や抗炎症作用などがあり、アメリカではFDAの認可を受けています。 ただし日本ではまだ未承認の薬となっており、副作用や注意事項をよく理解したうえで医師の指導の下で服用しなくてはいけません。 この記事では、イソトレチノインの効果や副作用について詳しく解説します。 イソトレチノインの服用が怖いときの対処法もまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。 |
イソトレチノインとは?怖い薬なの?イソトレチノインは難治性ニキビ治療用の内服薬です。 イソトレチノインはビタミンA誘導体で、皮脂腺の活動を減少させることで、ニキビの原因となる毛穴詰まりや炎症を抑える効果があります。 アキュテインやロアキュテイン、ソトレット、アムネスティーム、クララビス、イソトロイン、アクノティンなどさまざまな製品名がありますが、これらはすべてイソトレチノインを指します。 1982年にFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を受けており、一定の安全性基準を満たしていますが、副作用のリスクは依然として存在します。 ただし日本では副作用や注意事項の点からまだ承認が下りていないため、服用に際して注意が必要となります。 ニキビ治療にイソトレチノインを使用する際は、医師からの説明をよく聞き、注意事項を理解したうえで正しい方法で服用する必要があります。 |
イソトレチノインの主な効果イソトレチノインの主な効果として、以下の3つが挙げられます。
ここでは上記3つの効果についてそれぞれ解説します。 皮脂分泌を抑制するイソトレチノインの主な効果の一つとして、皮脂腺を縮小し、皮脂分泌を抑制することが挙げられます。 皮脂の過剰分泌はニキビが発生する主な原因の一つです。 皮脂の分泌量が増えて毛穴が詰まってしまうと、皮脂を栄養にアクネ菌や細菌が増殖し、ニキビができてしまうのです。 イソトレチノインには皮脂腺を縮小する効果があるため、毛穴詰まりの原因に直接アプローチし、ニキビを改善へと導くことができます。 抗炎症作用で赤みや痛みを抑えるイソトレチノインには抗炎症作用があるため、ニキビの赤みや痛みを抑える効果も期待できます。 ニキビの原因となるアクネ菌が増殖すると炎症が起こり、見た目に影響が出るだけでなく、痛みが伴い始めます。 イソトレチノインはこのようなアクネ菌が原因で起こる赤みや痛みを抑えられるだけでなく、慢性的に皮膚が炎症を起こしている状態である『酒さ(赤ら顔)』の治療にも効果的です。 皮膚細胞を正常に整えるイソトレチノインの主な効果として、皮膚細胞を正常に整える効果が挙げられます。 表皮細胞や皮脂腺細胞といった皮膚細胞が正常に整えられると、毛穴詰まりや角化異常といった症状が抑えられ、ニキビができにくい肌になるのです。 ただニキビを治療するだけでなく、再発を予防する肌へ導けるのがイソトレチノインの効果の特徴です。 |
イソトレチノインの主な副作用や注意点イソトレチノインの主な副作用や注意点として、以下が挙げられます。
ここでは上記の副作用や注意点についてそれぞれ解説します。 皮膚や粘膜の乾燥イソトレチノインの副作用で多くみられるのが、皮膚や粘膜の乾燥です。 不適切な使用法により肌のつっぱり感、唇のひび割れがつよくでることがありますが、適切な使用法、併用薬により最小限に抑えることが出来ます。 また、場合によってはドライアイや鼻血などが生じることもあります。 皮膚のかゆみや発疹イソトレチノインを内服し、皮膚にかゆみや発疹などの症状が現れた場合は注意が必要です。 用法、用量を変えることにより改善していきます。 頭蓋内圧亢進症イソトレチノインの副作用で現れる可能性がある症状として、頭蓋内圧亢進症が挙げられます。 頭蓋骨内部の圧力が上昇する症状で、これによって頭痛やめまい、吐き気、嘔吐といった症状が現れる場合があります。 イソトレチノイン単体の服用ではなく、テトラサイクリン系薬剤との併用で起こりやすくなるとされています。 テトラサイクリン系薬剤は細菌の増殖を抑える抗菌作用を持ち、咽頭炎や外傷の二次感染などさまざまな病気やけがの治療に使われる薬です。 イソトレチノイン服用後に頭痛やめまいといった症状が現れたら、休息を取って水分を普段よりも多めに摂るようにしましょう。 またアルコールは症状を悪化させる原因となるため、控えることをおすすめします。 聴力障害イソトレチノインの服用によって聴力障害が生じたという例が報告されています。 明確なメカニズムはいまだ解明されていませんが、治療中止後にも聴力障害が持続する場合があることも明らかになっています。 視力障害イソトレチノインの副作用として、視力障害が起きる可能性があります。 具体的な症状としては角膜混濁や夜間視力低下などが挙げられ、治療中止後にもその症状が持続したという例も報告されています。 筋肉や関節への影響イソトレチノインは筋肉や関節へ影響を与える場合があります。 筋肉痛や関節痛、背中の痛みなどが現れることがありますが、治療を一時中止すると症状が改善されるケースが多いです。 これらの症状の悪化を防ぐために、イソトレチノイン服用中は激しい運動を控えましょう。 脂質代謝異常イソトレチノインの副作用として多く見られるのが、脂質代謝異常です。 脂質代謝異常が続くと脳梗塞や心筋梗塞、腎臓障害といった合併症を引き起こすリスクがあります。 体質により疑われる場合は医師に相談の上、定期的な血液検査が必要です。 肝機能障害イソトレチノインの服用で起こり得る副作用の一つとして、肝機能障害が挙げられます。 臨床試験中に治療を受けた人の約15%に軽度の肝機能障害がみられたという報告があり、イソトレチノインと肝炎の関連性が示唆されています。 炎症性腸疾患イソトレチノインを服用することで、炎症性腸疾患を引き起こすリスクが高まります。 炎症性腸疾患は、免疫機能に異常が生じることで腸に炎症が起こる病気です。 腹痛や直腸出血、下痢などの症状が現れたらすぐにイソトレチノインの服用を中止すべきでしょう。 胎児への影響イソトレチノインの服用は胎児の発育に悪影響を及ぼす恐れがあります。 具体的には催奇性や流産、早産、死産といったリスクが高まるのです。 このため、イソトレチノインは今後妊娠の可能性がある方や妊娠中の方は服用できません。 性機能への影響イソトレチノインは性機能に悪影響を及ぼす恐れがあります。 女性の場合は月経周期に影響が出る可能性があり、規則的な月経周期をもつ女性のうち約10.4%に月経不順が現れたという研究結果もあります。 男性の場合は性欲減退やED(勃起不全)などが起こるリスクがあるため、注意が必要です。 |
イソトレチノインの個人輸入は危険日本国内でイソトレチノインを服用する場合、病院を受診して医師に処方してもらう方法が一般的ですが、中にはより安く購入するために個人輸入を検討する方もいるでしょう。 しかしイソトレチノインの個人輸入は以下のような理由があり危険です。
ここでは上記2つの理由についてそれぞれ解説します。 健康被害のリスクが高い個人輸入により入手したイソトレチノインは健康被害のリスクが高まります。 ここまで解説した通り、イソトレチノインにはさまざまな副作用のリスクがあるため、正しく服用しなくてはいけません。 海外から個人輸入したイソトレチノインだと、誤った服用方法により重篤な副作用を引き起こす恐れがあるのです。 また中には偽造品が混ざっていることもあり、品質が保証されていないのも重大な問題となります。 副作用が出たときに適切な対処ができないイソトレチノインを個人輸入するリスクとして、副作用が出たときに適切な対処ができないことが挙げられます。 適切な対処が受けられないと症状が悪化する恐れもあり危険です。 |
イソトレチノインの服用が怖いときの対処法イソトレチノインの服用が怖いときの対処法として以下が挙げられます。
ここでは上記5つの対処法についてそれぞれ解説します。 皮膚科やオンライン診療で処方してもらう個人輸入や通販サイトで入手できるイソトレチノインは偽造品や粗悪品が混ざっているリスクがあるため、皮膚科やオンライン診療で処方してもらいましょう。 病院で処方してもらうイソトレチノインなら確実に正規品を入手でき、注意事項もきちんと説明してもらえます。 また万が一副作用が出てしまった場合も、処方してもらった病院でアフターフォローを受けられるという安心感もあります。 近くに皮膚科がない場合は、オンライン診療がおすすめです。 オンライン診療ならスマホとネット環境さえあれば、場所を問わずどこからでも受診できます。 イソトレチノインの用法・用量を守るイソトレチノインの副作用のリスクを抑えるためには、用法・用量をきちんと守ることが大切です。 症状、肌質、体質により5mg〜80mg の微量調節で内服量を決めます。 服用方法については医師から説明があるため、必ず守りましょう。 定期的に血液検査を受けるイソトレチノイン服用中に副作用が疑われる場合定期的な血液検査が必要になります。 血液検査で異常がみられた場合は、イソトレチノインの服用量を調整したり、服用を中止したりすることがあります。 飲み合わせの悪い薬は服用しないイソトレチノインと飲み合わせの悪い薬を服用しないよう注意が必要です。 具体的にはビブラマイシンやミノマイシン、ビタミンA内服薬などが挙げられます。 これらの薬をイソトレチノインと併用すると、頭蓋内圧亢進症やビタミンA過剰症などの症状を引き起こす恐れがあります。 上記に当てはまるものでなくても、普段服用している薬がある場合は、念のため医師に確認しておくとよいでしょう。 自己判断で服用を中止しないイソトレチノインは自己判断で服用を中止しないことが大切です。 適切なタイミングでの用法、用量の再調節により略治〜完治が望めます。 自己判断で服用を中止するのではなく、必ず医師に相談しましょう。 |
まとめイソトレチノインにはさまざまな副作用があり、服用するのが怖いと感じる方も少なくないでしょう。 ただしこれらの副作用は正しい用量・用法で服用することで、ある程度リスクを抑えられます。 個人輸入や通販での購入などにより入手することも可能ですが、偽造品や健康被害のリスクがあるため、必ず皮膚科やオンライン診療を受診して処方してもらうようにしてください。 飯室皮膚科では、自費診療の保険適用外でイソトレチノインの処方を行っています。 コロナ渦2021年1月〜イソトレチノインによるニキビ肌荒れオンライン診察を開始いたしました。 お薬も北海道〜沖縄まで全国配送致しております。 特に日本人含め東洋人に多いニキビを伴う肌荒れ治療を長年継続しております。 遠方で受診が難しい方もぜひ気軽にご相談ください。 |