東京都江戸川区船堀の皮膚科・小児皮膚科 飯室皮膚科 【乳児湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、掌蹠膿疱症、重症ニキビ、巻き爪、ほくろ】


イソトレチノインは繰り返しできるニキビや重症化したニキビの治療に使われる薬です。


効果を実感するまでに数か月かかり、それまで継続して服用し続ける必要があります。


なかには「イソトレチノインの服用をやめるとニキビが再発するのではないか」と不安になっている方も多いのではないでしょうか。


この記事では、イソトレチノインの服用を辞めた後の再発リスクについて詳しく解説します。


ニキビの再発を防ぐ方法やイソトレチノインを服用するときの注意点などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。


イソトレチノインとは


イソトレチノインはビタミンA誘導体の経口薬で、主に難治性ニキビの治療に使われています。


特に何度も繰り返しできるニキビや重症化したニキビの治療に適しています。


海外ではFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を受けており、1982年からニキビ治療に使われてきた実績があるのが特徴です。


副作用や注意事項の観点から、日本ではまだ厚生労働省の認可が下りていませんが、皮膚科やオンライン診療の自費診療での処方が可能です。


主な効果・対応できる肌悩み


イソトレチノインの主な効果は『皮脂の分泌量を抑える作用』、『抗炎症作用』、『皮膚細胞を正常に整える作用』の3つです。


ニキビは皮脂の過剰分泌が原因で起こります。イソトレチノインの作用によって皮脂の分泌量を抑えることで、ニキビを根本から治療できます。


また抗炎症作用によってアクネ菌が原因で起こる赤みや痛みを抑える効果も期待でき、ニキビだけでなく酒さ(赤ら顔)の改善にも効果的です。


さらに皮膚細胞を正常に整える作用により、毛穴詰まりや角化異常にもアプローチします。


これらの効果から、イソトレチノインは以下のような肌悩みに対応できます。


  • ニキビ

  • 酒さ(赤ら顔)

  • 毛穴開き

  • 毛穴の黒ずみ

  • 肌のトーン改善


上記のようなお悩みを持つ方は、イソトレチノインによる治療を検討してみるとよいでしょう。


悩み別│イソトレチノインの服用を辞めた後の再発リスク


イソトレチノインを服用し続けると肌質が改善され、服用を辞めた後にもその効果が一定期間持続します。


しかし完全に肌悩みと無縁になるわけでなく、場合によっては再発する恐れがあるため注意が必要です。


ここではイソトレチノインの服用を辞めた後の再発リスクについて、悩み別にそれぞれ解説します。


ニキビ


イソトレチノインを継続し略治〜完治した後はニキビができにくくなるとされてます。


これはイソトレチノインの効果により肌質が改善され、ニキビの原因となる皮脂分泌量が減るためです。


イソトレチノインにはアクネ菌に対する免疫を正常化する働きもあるため、以前と比べてよりニキビができにくい肌になるでしょう。


ニキビの再発リスクが全くなくなるわけではありませんが、肌質が改善されることで、ニキビができたとしても症状が軽度で治まる場合が多くなります。


またイソトレチノインの服用期間や服用量によっても再発リスクが異なり、長期間または高用量で治療を継続していると再発リスクを減少できます。


皮脂分泌量


イソトレチノインを服用し始めると、皮脂分泌量が減少します。


これはイソトレチノインが皮脂腺を縮小させる作用を持っているためです。


服用を辞めた後にもこの効果は一定期間持続しますが、半永久的に皮脂分泌量が減少するわけではありません。


服用を辞めると徐々に縮小した皮脂腺が元の大きさに戻っていき、それに伴って皮脂分泌量も治療中より増加します。


ただニキビの原因となる皮脂の過剰分泌は、食事や睡眠といった生活習慣も大きく影響しているため、普段の生活習慣を見直すことである程度対策が可能です。


肌の乾燥


イソトレチノインの副作用の一つとして、肌や粘膜の乾燥が挙げられます。


これは薬を飲んでいる間のみ生じるもので、薬の服用を辞めると徐々に肌の乾燥も改善されていきます。


肌の乾燥を早く改善するためには、保湿クリームやワセリンなどで日ごろから保湿を心がけることが大切です。


唇や目が乾燥することもあるため、リップクリームや目薬なども活用しましょう。


毛穴の開き


イソトレチノインの服用を辞めると、毛穴の開きが生じる場合があります。


これはイソトレチノインの効果により治療中は毛穴の開きが改善されるものの、服用を辞めると徐々に元の肌の状態に戻っていくためです。


治療中はターンオーバーが改善され、皮脂の過剰分泌や毛穴の開き、毛穴詰まりなどが改善されますが、治療を辞めた後は肌のターンオーバーが以前と同じ状態に戻ってしまう場合があります。


そうすると再び皮脂の分泌量が増加することで毛穴が詰まりやすくなり、毛穴の開きや毛穴詰まりが発生することがあるのです。


特に毛穴詰まりはニキビの再発にもつながるため、イソトレチノインの服用を辞めた後はスキンケアや生活習慣に気を付け、肌のターンオーバーを促進することが大切です。


赤ら顔


イソトレチノインはニキビだけでなく、赤ら顔にも効果的な治療薬です。


服用中は赤ら顔が改善されますが、服用を辞めると赤ら顔が再発する可能性があります。


赤ら顔の原因は酒さ、脂漏性皮膚炎、毛細血管拡張、乾燥皮膚炎などさまざまです。


ステロイド内服、外用薬、漢方薬等で著効する場合もあります。


逆にステロイド皮膚炎になり悪化することもあるため、安易な対応は色素沈着が残るため注意が必要です。


イソトレチノインの服用を辞めた後は日々の生活習慣を見直し、肌にやさしい生活を心がけましょう。


イソトレチノインを辞めた後の再発を防ぐには?


イソトレチノインを止めたた後の再発を防ぐには、かなり個人差のあるお薬のため体重換算の量ではなく、個人々にあった治療期間、服薬量が必要です。


比較的多い量で短期間で副作用のない場合、副作用が多く血液検査をしながら低用量で長期間治療する場合もあります。


症状、肌質、体質

にあった治療期間が必要です


イソトレチノインの治療方法


イソトレチノインの効果をしっかり実感するためには、服用方法や服用期間などの正しい治療方法を理解しておくことが大切です。


ここではイソトレチノインの服用方法・服用期間、長期的な治療に必要な休薬期間などについて解説します。


イソトレチノインの服用方法


症状、肌質、体質により5mg〜80mg の微量調節で内服量を決めていきます。


イソトレチノインは水よりも脂肪に溶けやすい性質を持つため、食後に服用するようにしてください。


空腹時に服用してしまうと、イソトレチノインの吸収量が減少し、早期再発リスクを高める原因となります。


服用する時間は特に決まっていないため、食後に服用することだけ気を付ければ問題ありません。


イソトレチノインの服用期間


イソトレチノインの服用期間については、クリニックの方針や患者さんの症状・体質などによって個人差があります。


3〜4か月程度服用する場合もあれば、半年以上服用し続けなければいけない場合もあるでしょう。


一般的には6か月程度を目安としますが、具体的な期間については治療を受けるクリニックに確認してみてください。


長期的な治療は休薬期間が必要


イソトレチノインで長期的な治療を行う場合、休薬期間を設けることがあります。


個人差が多いため一概にはいえませんが体内で耐性ができることがあるためです。


休薬期間はクリニックによって多少異なりますが、1〜2か月程度の場合が多いです。


休薬期間中はニキビの再発リスクがあるため、スキンケアの見直しや生活習慣の改善を行うことが大切になります。


また万が一ニキビができてしまった場合は、症状が軽ければ外用薬で治療することも可能です。


イソトレチノインを服用するときの注意点


イソトレチノインを服用するときの注意点は以下の通りです。


  • 副作用のリスクがある

  • 服用できない場合がある

  • 医療機関で処方してもらう

  • 併用できない薬がある

  • 妊娠・授乳中は服用できない

  • 自己判断で服用を中止しない

  • 服用中は脱毛施術を受けない


ここでは上記7つの注意点についてそれぞれ解説します。


副作用のリスクがある


イソトレチノインには副作用のリスクがある点に注意が必要です。


主な副作用として以下が挙げられます。


  • 皮膚や粘膜の乾燥

  • 皮膚のかゆみや発疹

  • 体の痛み

  • 頭蓋内圧亢進症

  • 聴力障害

  • 視力障害

  • 脂質代謝異常

  • 肝機能障害

  • 胎児への影響

  • 性機能への影響


皮膚や粘膜の乾燥は比較的発現率の高い副作用です。


また重篤な副作用として、アレルギー症状や炎症性腸疾患、精神疾患などがあります。


これらの症状が出たらすぐに服用を中止し、すぐにクリニックを受診しましょう。


服用できない場合がある


イソトレチノインはすべての人に適応できるわけでなく、以下に当てはまる場合は服用ができない場合があります。


  • 妊娠中・授乳中・妊娠予定のある方

  • ビタミンA過剰症の方

  • 肝機能障害のある方

  • イソトレチノインやビタミンAでアレルギー症状を起こしたことがある方

  • 精神疾患のある方

  • テトラサイクリン系薬剤を服用中の方

  • 15歳未満の女性

  • 18歳未満の男性


上記に当てはまる場合や持病がある場合は、事前に医師に相談しておくとよいでしょう。


医療機関で処方してもらう


イソトレチノインは必ず医療機関で処方してもらいましょう。


安価で手に入れるために通販サイトや個人輸入で入手しようとする方がいますが、これらの方法で入手するイソトレチノインには偽造品や粗悪品のリスクがあります。


ただ本来の効果が得られなくなるだけでなく、健康被害のリスクもあるため危険です。


さらに万が一個人輸入で入手したイソトレチノインにより健康被害や副作用が生じた場合、適切な対処ができない可能性もあります。


イソトレチノインはオンライン診療で処方してもらうことも可能なため、医療機関まで足を運ぶのが面倒という場合はオンライン診療の受診を検討してみてください。


併用できない薬がある


イソトレチノインには併用できない薬があります。


  • テトラサイクリン系薬剤(ミノマイシンやビブラマイシンなど)

  • 抗てんかん薬(フェニトイン)

  • ビタミンA

  • セントジョーンズワート


これらの薬とイソトレチノインを併用すると、頭蓋内圧亢進症をはじめとした副作用が生じるリスクが高まります。


上記のような薬やサプリメントを服用中の場合は、必ず事前に医師に相談しましょう。


妊娠・授乳中は服用できない


イソトレチノインは妊娠・授乳中の服用ができません。


妊娠中にイソトレチノインを服用すると催奇形性や奇形、流産、早産、死産などのリスクが高まるためです。


自己判断で服用を中止しない


イソトレチノインの服用を開始したら、自己判断で服用を中止しないようにしましょう。


副作用による影響で自己判断で服用を中止してしまう方もいますが、途中で医師の指示なく服用を辞めると、適切な治療ができなくなります。


副作用が強い場合や効果が実感できない場合は、自己判断で服用を中止するのではなく、必ず医師に相談しましょう。


服用中は脱毛施術を受けない


イソトレチノインの服用中は脱毛施術を受けないように注意しましょう。


イソトレチノインを服用すると光の感受性が高まるため、服用前よりも痛みを感じやすくなったり、シミや色素沈着ができやすくなったりするリスクがあります。


脱毛施術を受けたい場合は、服用を辞めてから最低1か月は期間を空けるようにしましょう。


イソトレチノインについてのよくある疑問


イソトレチノインに関するよくある質問をまとめました。


  • 辞めた後はいつから妊活できる?

  • 辞めた後に再発が起こったらどうする?


ここでは上記2つの質問についてそれぞれ解説します。


:辞めた後はいつから妊活できる?


イソトレチノインの服用を辞めた後に妊活する場合は、女性、男性共、服薬を辞めた後最低1ヶ月後から妊活するようにしてください。


胎児への悪影響を避けるため、この期間を守って妊活しましょう。


辞めた後に再発が起こったらどうする?


イソトレチノインの服用を辞めた後に再発してしまった場合、状況に応じた治療が必要となります。


軽度の症状であれば、ニキビ用の塗り薬で治療できる場合が多いです。


場合によっては再治療の検討が必要になることもあるため、ニキビが再発してしまったら医師に相談しましょう。

まとめ


イソトレチノインは服用を辞めた後も一定期間は効果が持続し、ニキビができにくくなります。


しかしイソトレチノインの効果が徐々に薄れていくことで、皮脂の分泌量や肌の状態が元の状態に戻っていき、ニキビが再発してしまう場合も少なくありません。


再発を防ぐためには、なるべく長期間かつ自分に合った服用量で治療を続けることが大切です。


飯室皮膚科では、コロナ渦2021年1月〜イソトレチノインによるニキビ肌荒れオンライン診察を開始いたしました。


お薬も北海道〜沖縄まで全国配送致しております。


特に日本人含め東洋人に多いニキビを伴う肌荒れ治療を長年継続しております。


患者さん一人ひとりにあった処方によって、ニキビを伴う肌荒れの完治を目指しているため、難治性のニキビにお悩みの方はぜひ当院までご相談ください。



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