東京都江戸川区船堀の皮膚科・小児皮膚科 飯室皮膚科 【乳児湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、掌蹠膿疱症、重症ニキビ、巻き爪、ほくろ】

イソトレチノインの副作用・症状が現れたときの適切な対処方法を解説


イソトレチノインは皮脂分泌量を減少させたり炎症を鎮静させたりする作用を持つ薬で、主に難治性ニキビの治療に使われています。


海外ではFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を受けていますが、日本ではまだ未承認の薬となっています。


イソトレチノインにはさまざまな副作用があるため、あらかじめその点を理解しておくことが大切です。


この記事では、イソトレチノインの副作用について詳しく解説します。


副作用が現れたときの対処方法やよくある質問などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。



目次

イソトレチノインの主な副作用

皮膚や粘膜の乾燥

皮膚のかゆみや日焼け

頭蓋内圧亢進症

脂質代謝異常

肝機能障害

膵炎

聴力障害

視力障害・視力への影響

性機能への影響

イソトレチノインの重篤な副作用

胎児への影響

アナフィラキシーショック

炎症性腸疾患

スティーブンス・ジョンソン症候群

精神的な影響

イソトレチノインの副作用が現れたときの対処方法

保湿ケアを行う

ドライアイ用の目薬を使用する

十分に水分補給をして休息をとる

紫外線対策を行う

薬剤性脱毛症は重症度に合わせた対処が必要

日常生活に支障をきたしている場合は早めに医師に相談する

イソトレチノインの副作用に関するよくある質問

イソトレチノインとの併用が禁止されている薬はある?

イソトレチノインの副作用を防ぐ方法はある?

イソトレチノインの副作用はいつまで続く?

イソトレチノインを服用できない人はいる?

まとめ


イソトレチノインの主な副作用


イソトレチノインの主な副作用は以下の通りです。


  • 皮膚や粘膜の乾燥

  • 皮膚のかゆみや日焼け

  • 頭蓋内圧亢進症

  • 脂質代謝異常

  • 肝機能障害

  • 膵炎

  • 聴力障害

  • 視力障害・視力への影響

  • 性機能への影響


ここでは上記の副作用についてそれぞれ解説します。


H皮膚や粘膜の乾燥


イソトレチノインの主な副作用として、皮膚や粘膜の乾燥が挙げられます。


イソトレチノインには皮脂の分泌量を抑える効果があるため、その影響で肌や粘膜が乾燥しやすくなるのです。


唇にひび割れが起こったり、目や鼻が乾燥したりする場合があります。


化粧水や乳液、保湿クリーム、目薬、リップクリームなどでしっかり保湿するようにしましょう。


皮膚のかゆみや日焼け


イソトレチノインの副作用として、皮膚のかゆみや日焼けが挙げられます。


イソトレチノインを服用すると光に対する感受性が高まり肌が敏感になるため、紫外線による影響を受けやすくなるのです。


日焼け止めや日傘の使用など、紫外線対策を徹底しましょう。


頭蓋内圧亢進症


イソトレチノインとテトラサイクリン系薬剤(ミノマイシンやビブラマイシンなど)を併用すると、頭蓋内圧亢進症を発症する恐れがあります。


頭蓋内圧亢進症とは、頭蓋骨内の圧力が何らかの原因によって上昇することによって起こる病気です。


初期症状としては眼圧上昇や頭痛、吐き気、嘔吐、視力障害などが挙げられます。


主にテトラサイクリン系薬剤との併用によってリスクが高まる副作用とされているため、これらの薬を常用している方は事前に医師に相談しましょう。


脂質代謝異常


イソトレチノインの副作用として、脂質代謝異常がみられる場合があります。


具体的には高コレステロールや高中性脂肪などがみられることがあり、脂質代謝異常を放置していると重篤な合併症を引き起こす恐れがあるため注意が必要です。


体質により疑われる場合は医師に相談の上、定期的な血液検査が必要です。


肝機能障害


イソトレチノインの副作用として、肝機能障害が挙げられます。


肝機能障害も脂質代謝異常と同様、定期的な血液検査による数値の確認が重要になります。


膵炎


イソトレチノインの副作用の一つとして、膵炎の発症が挙げられます。


急性膵炎の発症リスクがあるほか、まれに出血性膵炎が起こりうることも報告されています。


膵炎は上腹部の激痛が主な症状で、出血性膵炎は急性膵炎が重症化したものです。


このような症状が出たらすぐに病院を受診しましょう。


聴力障害


イソトレチノインの服用により、聴力障害を引き起こす場合があります。


発症メカニズムについては不明ですが、イソトレチノインの服用を中止した後も症状が持続する場合があります。


視力障害・視力への影響


イソトレチノインの副作用として、視力障害や視力への影響が挙げられます。


具体的な症状としては角膜混濁や夜間視力低下などが報告されており、服用中止後にもその症状が持続した例もあります。


性機能への影響


イソトレチノインは性機能にも影響を与える場合があります。


女性の場合は無月経をはじめとする月経不順、男性の場合は性欲減退やED(勃起不全)が主な影響となります。


イソトレチノインの重篤な副作用


イソトレチノインの重篤な副作用として、以下のような症状が現れる場合があります。


  • 胎児への影響

  • アナフィラキシーショック

  • 炎症性腸疾患

  • スティーブンス・ジョンソン症候群

  • 精神的な影響


ここでは上記5つの副作用についてそれぞれ解説します。


胎児への影響


イソトレチノインの重篤な副作用の一つに、胎児への影響が挙げられます。


イソトレチノイン服用中に妊娠すると催奇形性や流産、早産、死産などのリスクが高まることがわかっています。


このような重篤な副作用があることから、イソトレチノインは妊娠中の方や授乳中の方、妊娠する可能性がある方は服用できません。


アナフィラキシーショック


イソトレチノインの重篤な副作用として、アナフィラキシーショックが挙げられます。


これは激しいアレルギー反応の症状で、具体的な症状は突然の発疹や喉の詰まり、唇・口・舌・喉の腫れなどです。


アナフィラキシーショックは命に関わる恐れがあるため、上記のような症状が現れたらすぐに救急車を呼んでください。


炎症性腸疾患


イソトレチノインの服用により、炎症性腸疾患を発症する場合があります。


炎症性腸疾患とは、免疫機能に異常が生じることで腸に炎症が起こる病気です。


具体的な症状としては腹痛や下痢、血便、発熱などが挙げられ、これらの症状が良くなったり悪くなったりするのを繰り返す特徴があります。


上記のような症状が現れたらイソトレチノインの服用を中止し、病院を受診しましょう。


スティーブンス・ジョンソン症候群


イソトレチノインの重篤な副作用として、スティーブンス・ジョンソン症候群の発症が挙げられます。


スティーブンス・ジョンソン症候群は別名『皮膚粘膜眼症候群』とも呼ばれる病気で、高熱や全身の倦怠感を伴い、唇・口腔・眼・外陰部などの全身に紅斑や水泡などが発生するのが特徴です。


症状の進行が早いため、上記のような症状が現れたらすぐに病院を受診しましょう。


精神的な影響


イソトレチノインは精神面に影響を及ぼす場合があります。


不安感やうつ、自殺念慮などの精神障害を引き起こす場合があるため、精神状態が悪化していると感じたらすぐにイソトレチノインの服用を中止しましょう。

イソトレチノインの副作用が現れたときの対処方法


イソトレチノインの副作用が現れたときの対処方法は以下の通りです。


  • 保湿ケアを行う

  • ドライアイ用の目薬を使用する

  • 十分に水分補給をして休息をとる

  • 紫外線対策を行う

  • 薬剤性脱毛症は重症度に合わせた対処が必要

  • 日常生活に支障をきたしている場合は早めに医師に相談する


ここでは上記6つの対処方法についてそれぞれ解説します。


保湿ケアを行う


イソトレチノインを服用すると皮膚や粘膜が乾燥することがあるため、保湿ケアを徹底することが大切です。


具体的な保湿ケア方法としては以下が挙げられます。


  • 保湿クリームを使用する

  • 肌にやさしい化粧品を使用する

  • 入浴後にすぐに保湿する


なるべく保湿成分が多く含まれるローションやクリームを選び、肌が乾燥しないようにこまめに塗るようにしましょう。


ドライアイ用の目薬を使用する


イソトレチノインの副作用の一つである肌や粘膜の乾燥により、ドライアイを引き起こす場合があります。


眼が乾燥する場合は、市販の一般的な目薬ではなく、ドライアイ用の目薬を使用しましょう。


ドライアイに適している目薬はヒアルロン酸点眼薬や人工涙液、ムチン分泌を促す点眼薬、眼軟膏などです。


必要に応じて眼科の受診も検討してみてください。


十分に水分補給をして休息をとる


イソトレチノインの副作用が現れた場合は、十分に水分補給をして休息をとることが大切です。


症状が長引く場合は医師に相談して症状を和らげる薬を処方してもらいましょう。


症状の強さによっては、イソトレチノインの服用量を調整する必要が生じる場合もあります。


紫外線対策を行う


イソトレチノインを服用すると紫外線の影響を受けやすくなるため、普段よりもしっかり紫外線対策を行う必要があります。


具体的な紫外線対策としては以下が挙げられます。


  • 日焼け止めをこまめに塗る

  • サングラス・帽子・日傘などを使用する

  • UVカットの洋服を着用する

  • 紫外線の強い時間帯の外出を控える

  • なるべく日陰を歩く


紫外線による影響は室内や曇っている日にも生じるため、毎日こまめに日焼け止めを塗ることが大切です。


サングラスや帽子、日傘といったアイテムも活用し、紫外線をなるべく避けて生活しましょう。


薬剤性脱毛症は重症度に合わせた対処が必要


イソトレチノインを服用すると、薬剤性脱毛症を引き起こすことがあります。


これは薬の影響で髪がパサついたり抜け毛が増えたりする症状で、軽度と重度で対処法が異なります。


軽度の症状(髪のパサつきや一時的な抜け毛)

重度の症状(髪の毛が広範囲で抜ける)

  • 保湿ケアを行う

  • 髪を健康に保つ栄養素を摂取する(ビタミンB群や亜鉛など)

  • イソトレチノインの服用量を調整する

  • イソトレチノインの服用を一時中止する

  • イソトレチノインの服用を一時中止する

  • ミノキシジルを使用する

  • PRP療法やメソセラピーを受ける


髪の毛が広範囲で抜けるなど重度の症状の場合は、医師と相談のうえでイソトレチノインの服用を一時中止し、脱毛症の治療を行う必要があるでしょう。


日常生活に支障をきたしている場合は早めに医師に相談する


イソトレチノインの副作用により日常生活に支障をきたしている場合は、なるべく早めに医師に相談することが大切です。


症状を我慢して服用し続けると症状が悪化する恐れがあります。


必要に応じてイソトレチノインの服用量を調整したり、治療を一時中止したりといった対処が行われます。


イソトレチノインの副作用に関するよくある質問


イソトレチノインの副作用に関するよくある質問をまとめました。


  • イソトレチノインとの併用が禁止されている薬はある?

  • イソトレチノインの副作用を防ぐ方法はある?

  • イソトレチノインの副作用はいつまで続く?

  • イソトレチノインを服用できない人はいる?


ここでは上記4つの質問についてそれぞれ解説します。


イソトレチノインとの併用が禁止されている薬はある?


イソトレチノインとの併用が禁止されている薬は以下の通りです。


  • テトラサイクリン系薬剤(ミノマイシンやビブラマイシンなど)

  • 抗てんかん薬(フェニトイン)

  • ビタミンA

  • セントジョーンズワート


上記の薬をイソトレチノインと併用すると、頭蓋内圧亢進症や肝機能障害を引き起こしたり、薬の効果が低下したりする恐れがあります。


これらの薬を常用している場合は必ず医師に事前に相談しましょう。


イソトレチノインの副作用を防ぐ方法はある?


イソトレチノインの副作用を完全に防ぐ方法はありませんが、リスクを下げるための方法としては以下が挙げられます。


  • イソトレチノインの用法・用量を守る

  • 定期的に血液検査を受ける

  • 飲み合わせの悪い薬は服用しない

  • 自己判断で服用を中止しない

  • 個人輸入はしない


上記に注意することである程度副作用のリスクを下げることができ、万が一副作用が出てしまったときにもすぐに対処できるでしょう。


またイソトレチノインは個人輸入で入手するのではなく、必ず病院を受診して処方してもらいましょう。


個人輸入品には粗悪品や偽造品が混ざっている可能性が高く、健康被害のリスクも高まります。


病院の受診をためらう方は、オンライン診療の受診も検討してみてください。


イソトレチノインの副作用はいつまで続く?


イソトレチノインの副作用が続く期間は個人差があります。


服用を中止すると症状が落ち着くことが一般的です。副作用の症状がつらい場合は、医師に相談の上で服用量の調整や治療の一時中止を検討しましょう。


イソトレチノインを服用できない人はいる?


以下に当てはまる人はイソトレチノインを服用できない可能性があります。


  • 妊娠中・授乳中・妊娠予定のある方

  • ビタミンA過剰症の方

  • 肝機能障害のある方

  • イソトレチノインやビタミンAでアレルギー症状を起こしたことがある方

  • 精神疾患のある方

  • テトラサイクリン系薬剤を服用中の方


上記に当てはまる場合や持病がある場合は、必ず事前に医師に相談しましょう。


まとめ


イソトレチノインの主な副作用として、皮膚や粘膜の乾燥などが挙げられます。


そのほかにも皮膚のかゆみや日焼け、頭蓋内圧亢進症、脂質代謝異常、肝機能障害などがみられる場合があり、これらの症状が現れたら医師に相談しましょう。


副作用の現れ方には個人差がありますが、副作用の症状が強い場合は医師と相談の上で服用量の調整や治療の一時中止を検討してみるのがおすすめです。


飯室皮膚科では、コロナ渦2021年1月〜イソトレチノインによるニキビ肌荒れオンライン診察を開始いたしました。


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