顔にできるブツブツは実はニキビだけでなく、さまざまな種類があります。 種類ごとに原因や対処方法が異なるため、そのブツブツがどの種類なのか見分けることが大切です。 病院を受診すれば確実に見分けてもらえますが、「病院を受診する前に自分で応急処置をしておきたい」「このブツブツが何なのか知りたい」といった悩みを持つ方も多いでしょう。 そこでこの記事では、顔にできるブツブツの主な種類とその原因、対処法について詳しく解説します。 顔にできるブツブツに関するよくある質問もまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。 |
顔にできるブツブツの主な種類と原因・対処法顔にできるブツブツには以下のような種類があります。
ここでは上記の種類の特徴や原因、対処法についてそれぞれ詳しく解説します。 ニキビ顔にできるブツブツの中でも特に多く見られるのがニキビです。 正式名称は『尋常性ざ瘡』といって肌にできる病気の一つです。 ニキビは進行段階によって4つの種類に分けられます。
白→黒→赤→黄と進行し、悪化すると痛みや腫れなどの症状が出るだけでなく、治ったとしても赤みや色素沈着、凹凸などの形でニキビ跡ができてしまうことがあります。 原因・対処法ニキビの主な原因は、毛穴詰まりによってアクネ菌という原因菌が増殖することです。 毛穴詰まりはターンオーバーの乱れによって毛穴に角栓が溜まってしまったり、皮脂が過剰に分泌されてしまったりすることで起こります。 ニキビは進行するとニキビ跡になるリスクが高まるため、なるべく白ニキビや黒ニキビなどの初期段階で治療することが大切です。 自宅でできる対処法としては、生活習慣を改善して肌のターンオーバーを促す、常に肌を清潔に保つ、保湿ケアで角層を柔らかくするなどが挙げられます。 あせもあせもは汗がきちんと排出されずに汗腺につまることで起こる炎症で、『汗疹』と書きます。 あせもにはいくつかの種類があり、それぞれ以下のような特徴があります。
いずれも汗が乾きにくい部位や肌がこすれやすい部位などで起こりやすく、大人だけでなく小さな子供にもよく見られる症状です。 原因・対処法あせもの主な原因は大量に汗をかいて汗腺が詰まってしまうことのため、汗をかいたら放置しないことが大切になります。 運動をするときや夏場などは特に注意が必要で、こまめに汗を拭きとるようにしましょう。 また通気性や吸湿性の高い服を着るのも有効な対策方法となります。 症状が軽いあせもは放置していても自然治癒しますが、かゆみが気になる場合は病院やドラッグストアで治療薬を購入して使用するのがおすすめです。 粉瘤粉瘤は皮膚の下にできる袋状の組織に皮脂や老廃物が溜まってできるものです。 別名『アテローム』や『表皮嚢腫』と呼ばれることもあります。 初期段階ではあまり目立たない見た目をしていますが、小さなしこりのような膨らみがあるのが特徴です。 初期段階ではニキビと見分けるのが難しいですが、粉瘤はサイズが大きくなったり独特の臭いを発することがあるため、その点で見分けることが可能です。 また粉瘤は進行すると強い痛みや腫れを伴うことがあるため、早めに治療を行う必要があります。 原因・対処法粉瘤の主な原因は、皮膚の下に嚢腫と呼ばれる袋状の組織ができ、その中に皮脂や老廃物が溜まることです。 詳細なメカニズムについてははっきりとわかっていませんが、切り傷や打撲がきっかけで発症する場合もあります。 粉瘤は薬での治療が難しいため、病院で嚢腫を取り出す手術を行う必要があります。 ニキビだと思って市販薬や化粧品でセルフケアをしていて全く改善されない、または悪化したという場合、そのブツブツは粉瘤の可能性が高いです。 早めに病院を受診して適切な治療を受けましょう。 毛嚢炎・毛包炎毛嚢炎・毛包炎は、毛穴の奥にある毛嚢または毛包で起こる炎症です。 一般的におできと呼ばれるものは、この毛嚢炎や毛包炎のことを指します。 赤みのあるブツブツや赤く膿を伴ったブツブツ、盛り上がりなどがみられます。 首の後ろや太もも、臀部、陰部周辺に発生する場合が多いです。 原因・対処法毛嚢炎や毛包炎は皮膚にできた傷から細菌が入り込み、炎症が起こることが主な原因です。 原因菌は主に表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌ですが、不衛生な環境では緑膿菌が原因となって炎症を起こす場合もあります。 毛嚢炎・毛包炎の予防・対処方法として大切なのが、皮膚を清潔に保つことです。 症状が強い場合や皮膚を清潔にしていても悪化する場合は、医療機関を受診して原因菌に合った抗菌薬を処方してもらう必要があります。 稗粒腫稗粒腫は主におでこや目の周りなどの皮膚が薄い部分にできるブツブツで、直径1mm程度で表面が小さく盛り上がっているのが特徴です。 部分的に集中してでき、痛みやかゆみなどはありません。 原因・対処法稗粒腫のはっきりとした原因はいまだ明らかになっていませんが、汗をかきやすい人や水膨れができやすい人によく見られます。 加齢に伴ってターンオーバーが乱れてくると発生しやすくなることから、ターンオーバーの乱れが原因の一つとも考えられています。 稗粒腫はセルフケアで取り除くのが難しいため、病院でレーザーや圧出法などによる治療が必要です。 接触性皮膚炎接触性皮膚炎は、特定の物質に皮膚が触れることで肌に赤みやブツブツ、水膨れなどができる病気です。 赤みやブツブツに伴い、強いかゆみや痛みが現れるのが特徴です。 一般的に『かぶれ』と呼ばれるものは、この接触性皮膚炎を指します。 原因・対処法接触性皮膚炎の主な原因は、皮膚に触れる物質の刺激によるものやアレルギー反応によるものなどです。 炎症が起こる原因によって、以下のような種類に分けられます。
接触性皮膚炎を起こさないためには、原因物質に触れないことや肌を清潔に保つことなどが大切です。 発症してしまった際はなるべく肌を触ったり掻いたりせず、病院で炎症やかゆみを抑えるステロイド外用薬を処方してもらいましょう。 脂漏性皮膚炎脂漏性皮膚炎は皮脂の分泌量が多い場所にできる皮膚炎です。 広範囲に赤みが広がるのが特徴で、かゆみを感じる場合もあります。 赤ちゃんから大人まで年齢問わず発症する病気ですが、生後数か月ごろに起こるものは『乳児脂漏性皮膚炎』と呼ばれます。 原因・対処法脂漏性皮膚炎の主な原因は皮脂の過剰分泌によるものですが、これを引き起こすのがマラセチアという皮膚に常在するカビの一種です。 マラセチアが異常増殖することで、皮脂に含まれる成分を分解し、皮膚の炎症を引き起こします。 マラセチアが原因で起こるため、病院では抗真菌薬やステロイドが含まれた薬が処方されます。 食生活や睡眠をはじめとした生活習慣の改善も有効な対処法です。 顔ダニ顔ダニは顔や首などの皮脂腺に住みつくダニの一種で、主に皮脂を餌にしています。 顔ダニが生息すること自体は問題ありませんが、異常増殖すると肌トラブルの原因となります。 異常増殖した場合に起こり得る肌トラブルは、酒さや脂漏性皮膚炎、マイボーム腺機能不全、眼瞼炎などです。 原因・対処法顔ダニが増殖してしまう主な原因は、肌が不衛生な状態になってしまっていることです。 例えば皮脂が多い人やメイクの落とし残しがある人の場合、顔ダニが増殖しやすくなります。 対処法としては肌を清潔に保つこと、規則正しい生活を送ることなどが挙げられるでしょう。 顔ダニの異常増殖によって肌トラブルが起きてしまった場合は、そのトラブルに合った治療が必要となります。 蕁麻疹蕁麻疹は皮膚の一部が赤くくっきりと盛り上がり、激しいかゆみや痛みを伴う炎症です。 症状が現れる時間は数十分〜長くても1日程度で、自然治癒します。 原因・対処法蕁麻疹の原因は明らかになっていませんが、特定の物質に触れたり食品を摂取したりすることで発症するケースが多いです。 そのほかにも日光や温度変化、発汗、ストレスなどで蕁麻疹が起こる場合もあります。 特定の食品を食べたときにだけ現れるなど、原因がはっきりしている場合はその食品を避けることで予防することが可能です。 蕁麻疹が現れた場合は安静に過ごすことで自然治癒しますが、症状が長引く場合は病院を受診して薬を処方してもらいましょう。 尋常性扁平疣贅(じんじょうせいへんぺいゆうぜい)尋常性扁平疣贅(じんじょうせいへんぺいゆうぜい)は、5mm〜1cm程度のイボが発生する病気です。 小さく茶色っぽい見た目をしているため、シミと勘違いしてしまうケースも少なくありません。 原因・対処法尋常性扁平疣贅の主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染です。 身の回りにありふれたウイルスで、感染してしまったとしても自然に排出されることが多いですが、免疫力が低下しているときに皮膚に感染すると尋常性扁平疣贅を引き起こすことがあります。 尋常性扁平疣贅の病院での治療方法には薬物療法、冷凍療法、炭酸ガスレーザーによる治療などがあります。 保険適用内での治療が可能です。 水いぼ水いぼは透明な膜を持つ1〜5mm程度のブツブツが発生する病気です。 基本的に痛みやかゆみは伴いませんが、かき傷や擦り傷がついて炎症が起こると、かゆみを感じる場合があります。 原因・対処法水いぼは、毛穴や傷から伝染性軟属腫ウイルスが侵入して感染することで起こります。 ウイルスの潜伏期間は2週間から数か月で、人に感染することもあるため注意が必要です。 水いぼは外用薬の使用、病院での冷凍治療、ピンセットを使った摘出などの治療方法があります。 水いぼ用の市販薬はないため、水いぼを発症したら病院を受診して医師に相談してみましょう。 毛包虫性ざ瘡毛包虫性ざ瘡は、顔ダニの異常増殖によって生じる皮膚炎の一種です。 腫れや肌荒れ、かゆみなどの症状を伴い、肌に赤いブツブツができます。 原因・対処法毛包虫性ざ瘡は顔ダニの増殖が主な原因のため、顔ダニの増殖を止めるための対策や治療が必要です。 病院での治療方法は外用薬や抗生剤の内服薬などで、肌を清潔に保ったり生活習慣を改善したりするのも有効な対処法となります。 ニキビの治療をしていてもブツブツが全く改善されない場合、毛包虫性ざ瘡の可能性があるため、なるべく早めに病院を受診して適切な治療を受けましょう。 顔面毛包性紅斑黒皮症顔面毛包性紅斑黒皮症は、耳から頬にかけて赤みのある固いブツブツができる病気です。 思春期によく見られる病気の一つで、腕に毛孔性苔癬(皮膚の毛穴に粟粒大のブツブツができる病気)が見られることが多いです。 痛みやかゆみといった自覚症状はなく、見た目のみの問題のため、気にならない場合は放置しても問題ありません。 原因・対処法顔面毛包性紅斑黒皮症の主な原因は、毛穴の中にある毛包の角化(表皮の奥にある基底細胞が有棘細胞、顆粒細胞へと形を変えていく流れ)が過度に進んでしまうことです。 肥満体型の人やアトピー性皮膚炎を持つ人に多く見られます。 病院では角質を柔らかくする尿素軟膏やステロイド剤などによる保険診療が可能です。 保険外診療には、ピーリング治療やレーザー治療などがあります。 口唇ヘルペス口唇ヘルペスは唇や唇の周囲に小さな水ぶくれができる病気で、ピリピリ・チクチクとした痛みを伴います。 単純ヘルペスウイルス(HSV)により引き起こされる感染症で、手や指、目などに感染が広がることがあるため注意が必要です。 原因・対処法口唇ヘルペスの主な原因は、単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染です。 身の回りにありふれたウイルスの一つで、多くの人が子供の頃にすでに感染しているとされます。 感染しただけで口唇ヘルペスを発症するわけでなく、ストレスや寝不足、強い紫外線などなんらかの原因によって免疫力が低下すると、ウイルスが活発になり症状が現れます。 口唇ヘルペスはウイルスに作用する外用薬により治療するのが一般的です。 そのほか、生活習慣の改善などにより免疫力を高めるのも有効な対処法となります。 |
H2. $顔にできるブツブツに関するよくある質問$顔にできるブツブツに関するよくある質問をまとめました。
ここでは上記4つの質問についてそれぞれ解説します。 H3. $顔にブツブツができたときのセルフケア方法は?$顔にブツブツができた場合、原因に合ったセルフケアが必要になります。 免疫力の低下やターンオーバーの乱れ、肌が不衛生になっているなどが原因の場合、それらを改善するセルフケアを行いましょう。 具体的には以下のような方法が挙げられます。
上記のようなセルフケアでも改善されない場合は、病院を受診して適切な治療を受けましょう。 H3. $顔にブツブツができたときの治療方法は?$顔にブツブツができたときの治療方法は、症状によって異なります。 セルフケアで改善される症状もありますが、稗粒腫や脂漏性角化症、扁平疣贅といった病気はセルフケアでの改善が難しいため、病院での治療が必要です。 病院で行なわれる治療としては外用薬や内服薬の処方、レーザー治療、ピーリング治療、冷凍療法などがあります。 H3. $顔にブツブツができたときの受診目安は?$ブツブツにひどい赤みや腫れ、痛みがある場合はすぐに病院を受診しましょう。 また原因がわからない場合も、下手にセルフケアをするのではなく先に病院を受診することをおすすめします。 原因がわからないまま間違ったセルフケアを行うことで、症状が悪化してしまう恐れがあるためです。 H3. $顔にできるブツブツを予防する方法は?$顔にできるブツブツを予防する方法は以下の通りです。
規則正しい生活習慣を送ることでターンオーバーやホルモンバランスが整えられ、さまざまな肌トラブルの予防につながります。 またストレスも肌トラブルの原因となることがあるため、ストレスをため込まないように心がけましょう。 H2. $まとめ$顔にできるブツブツにはさまざまな種類があります。 ニキビじゃないブツブツがある場合は、適当にセルフケアをするのではなく、その原因を特定することが大切です。 なるべく早めに病院を受診して、適切な治療を受けるようにしましょう。 飯室皮膚科では、ニキビの治療はもちろん、そのほかの皮膚疾患の治療にも対応しています。 コロナ渦2021年1月〜イソトレチノインによるニキビ肌荒れオンライン診察を開始いたしました。 お薬も北海道〜沖縄まで全国配送致しております。 特に日本人含め東洋人に多いニキビを伴う肌荒れ治療を長年継続しております。 顔のブツブツに悩んでいる方は、ぜひ当院まで気軽にご相談ください。 |